『甘美な貴方』
俺はケーキもアイスクリームも
そんなに好きな訳ではないけれど
どうしても止められない甘味が1つだけある。
優しく抱き寄せて
唇を塞いで
ひとつひとつ釦を外していけば
しだいに露わになっていく玉の素肌。
その白く滑らかな肌に指先を這わせれば
漏れ聞こえてくる音色は、すでに欲情に濡れてる。
意地っ張りな貴方の両腕が
俺の首に回されたならば
それは陥落の合図。
舌先を口腔奥深く差し入れて
思う存分にその甘い蜜を啜ろう。
全身どこもかしこも甘く蕩けかかっている
甘い砂糖菓子みたいな躰を囓ろう。
それはそれは甘美で
癖になりそうな俺だけのご馳走。
2009年8月度、拍手お礼ページより。
SS 長谷川舞
挿絵 鈴木イチさん