『ミラクル』



『ミラクル 1』


大好きな人と抱き合って眠る幸せ。
緩くエアコンの効いた部屋で、腕の中にはヒロさんが眠っている。今日は二人共お休みだし、ヒロさんも最近残業続きだったから、もうしばらくゆっくり眠らせてあげたいと思い、俺は腕枕を外せないまま、幸福な微睡みの中に居た。

ゴツイ俺とは全然体の作りが違うヒロさん。
もうちょっとしっかり食べて太ってくれないと心配なくらい折れそうな細い腰をしているのに、不思議と全体で見ると均整が取れていて、すらりとスタイルがいい。
抱き締めたらちょうどすっぽりと俺の胸のあたりに頭が収まって、ヒロさん自身は「お前はでか過ぎる」とか「見下ろすな。ムカツク。」と言って嫌がるけど、ベストの身長差だと思うのだ。

目の前にある柔らかくてサラサラとした髪に頬ずりしながら、すべすべの脚に自分の脚を絡めようとして俺の脚は虚しくシーツを掻いた。

あれ?いつもならこの辺にあるはずのヒロさんの脚がない。
体を屈めて寝ているのかな?

そんな事を考えながら何となく二人で羽織っていた夏用の肌布団をそおっと捲って、俺は一瞬凍り付いた。

俺は起きているつもりでいたけど・・・まだ夢の中にいたのかな。
腕枕してない方の手で頬を抓ってみる。うん、ちゃんと痛い。

俺の腕枕ですやすやと眠っていたのは、小学生くらいの小さなヒロさんだったのだ。







「おい、これはいったい何の冗談なんだよ。」

「さあ・・・俺にもさっぱり分かりません。」

起きてきて、早速異変に気付いたヒロさんは朝からカンカンで、すごい剣幕で俺を問い詰めてくるけれど、こればっかりは俺にも答えようがない。

目の前にいるヒロさんは、推定年齢10歳くらいといったところだろうか。
瞳がくりくりと大きくて、丸いほっぺはほんのり桜色。髪型は肩にかかる程度に少し長くしていて、それほど印象は変わらない。本当にヒロさんをぎゅっとデフォルメしたような可愛いらしさだ。

「勝手に縮んでいたのだから、そのうち元に戻るんじゃないですか?放っといても。」

「・・・・俺はお前の楽天的なところ、キライじゃねーけどさ・・・。そんな根拠のない事言ってて、明後日から仕事なのに、こんな姿でどうしろって言うんだ。」

「大丈夫です。俺とっくにヒロさんを養う覚悟出来てますから。」

「養うとか言うな!」

「ヒロさんはどんな姿になっても可愛いです。」

「可愛いって言うなって!」

さっきからずっときゃんきゃん吠えているけれど、体が小さくなったと同時に声も高くなってしまったらしい幼いヒロさんは、すごく可愛い声になっていて、どれだけ罵倒されようともいつもの5分の1も迫力が無い。

サイズが合う服がないから、裸の上からヒロさんのシャツを腕まくりして着ている、幼いヒロさんは何だかいつもと違う意味で色っぽかった。

「・・・俺、本当にヒロさんであれば、どんな姿でもどんな格好していてもOKなんだな・・・って再認識しました。」

「はあ?何をこんな状況で意味わかんかねー事言ってんだ。・・・って・・・まさかお前・・・。」

「あっ、ちょっと!いきなり触らないで下さい。」

「誰だ!こんな非常事態におっ勃ててる奴はっ!」

「子供がそんな下品な事言っちゃダメですよ。」

「誰が子供だ!こんな小さい俺に何するつもりだ!この変態!」

ベッドの上でずりずりと後ずさるヒロさんの服の裾が乱れて細い足が覗く。その上膝を立ててシーツを蹴っているせいで、未成熟なあそこまで見えそうになって、俺はあまりの事に天井を仰いだ。

うーん・・・確かに推定10歳に欲情する俺はちょっと危ない人かもしれない。
でも相手はヒロさんだ。中身も一緒に後退してしまったならともかく、中身は可愛い俺の恋人、上條弘樹さん29歳なのだから、反応するのも仕方ないんじゃないのかな。

「だってヒロさんですから。」

「・・・・っ・・!お前は俺でさえありゃあ、何でもいいのか!だいたい、こんな子供の体でお前と・・・そのぉ・・・セックスなんかしたら、死ぬ!」

「本当にそうでしょうか・・・・無理なんですかね。」

「ば・・・バカ!何を真剣な顔で考えてるんだよ。俺は嫌だぞっ!無理!殺されるーっ!」

慌ててベッドから飛び降りようとしたヒロさんをひょいと片手で捕獲して、昨日の余韻がまだ少し残るシーツの上にその体を横たえた。

  ◇ 続く ◇




『ミラクル 2』



体重をかけないようにして、そっと上から覆い被さると、むすっとした表情ながら抵抗をやめてくれた。頬を手のひらで包み込むように触れると気持ちいいのか、安心するのか目を細めて、手のひらに顔をくっつけて来てくれる。

「大丈夫ですよ。無理やり変な事したりしません。」

「お前の言う事は信用ならねぇ。」

「ヒロさんが不安そうだったから気を紛らわせてあげようと思っただけです。」

「いーや!お前、顔がマジだった!だいたい、その股間のモノは何だ?!動かぬ証拠じゃねーか!」

「・・・朝ですから。」

「だったら、今すぐトイレ行っておしっこ出して来い!そうすりゃ落ちつくだろ。」

「ヒロさん・・・色気なさ過ぎです。」

「今の俺に色気なんか要求すんな!」

ぷうっと膨れたほっぺも、憎まれ口をたたく唇も、いつもにも増してすごく柔らかい。
俺に小さな子供に欲情するような趣味は皆無だけど、やっぱりヒロさんは特別だ。こうしていてもキスしたい、触りたい、抱き締めたい、とそんな感情でぐるぐるしてしまう。

「どうして、こんな姿になっちゃったんでしょうねぇ・・・。」

昨日、眠る前に何か変わった事をしただろうか?と思い巡らしてみる。
・・・昨夜した事と言ったら・・・ご飯食べて、その後それぞれお風呂入って、缶ビール1本ずつ飲んで・・・昨日は何だか久しぶりにヒロさんが積極的で、最初から俺のを咥えてくれたりなんかしたから、いきなり燃えあがっちゃって・・・後ろから1回、その後騎乗位で1回、でもって・・・・

「野分。何をニヤニヤしてやがんだ。」

「あ、すみません。昨日、何か原因になるような事しなかったかな、と思って考えていました。」

「昨日?別にいつも通り・・・えっちな事はしたけど、それくらいだろ。」

「・・・はい。昨夜のヒロさん可愛いかったです・・・。小さい口で一所懸命に俺のを頬張ってくれて・・・。」

「そんな事逐一思い出さなくていい!だったらもうあんな事しねぇ!んなもん咥えて・・・しかも、飲んだせいかもしれねぇしな!こんな姿になったのも。」

「俺のせいですか?ヒドイです。」

「こんな姿じゃ、せっかく今日一緒に出かけようって言ってたのに、外に出られないじゃねーか。」

そうだった。今日はたまたま二人の休みがかちあったから、秋物の薄いコートを一緒に選んでもらう予定だったんだった・・・。

「ヒロさん、デート楽しみにしていてくれたんですね。嬉しいです!」

「デートじゃねぇ。買い物。」

「それでも嬉しいです。・・・でも確かに、そんなえっちな格好じゃ外に出られませんよね・・・。」

「・・・問題は服とかじゃなくて、俺自身だろ。っつーか、こんな子供になっちゃってんだから、もう少し驚け!」

「俺、ヒロさんが傍にいてくれるんだったら、姿が子供だろうが猫だろうが何だって平気です。愛せる自信あります。」

「そんな愛なんかいらん・・・。だいたい猫って何だ・・・テメェは犬のくせして。」

犬と言われた俺は、わんわんと鳴き真似をしながらヒロさんのすべすべしたほっぺをペロペロと舐めた。わんわん、ヒロさん大好きです。

「何か野分と話してたら悩んでるのバカらしくなってきた。もういいや、何でも。土日と休みは2日あるし、お前の言う通りそのうち勝手に戻るかもしれねぇな。」

犬の真似をして小さなヒロさんにじゃれつく。
いい匂いのする首筋で鼻をくんくんさせたり、あちこちをぺろぺろ舐めたり、顔をこすりつけたりすると、ヒロさんがケラケラ笑ってベッドの上を転がった。

「ばか、くすぐったいって。やめろ、どこ舐めてんだ!調子のんな・・・キャハハハ。」

はだけたシャツの胸元には昨夜俺が残した所有の印が色濃く残っていて、無邪気な様子と相反して堪らなくなる。

 

 ◇ 続く ◇




『ミラクル 3』


「ヒロさん、ここ残っちゃってますね。」

分かっていて胸元をつんと指さすと、ヒロさんは慌ててシャツの襟を大きく開いて覗き込む。

「あーっ!またお前、痕つけやがったな!またこんな見えそうで見えないギリギリにつけやがって・・・絶対わざとだろう。」

「もっと見えない所に付けたつもりだったんですよ。でもヒロさんが小っちゃくなっちゃったから、服がガバガバで見えやすくなってるんだと思います。」

シャツの開きから一緒に覗き込むようにすると、いくつかのキスマークと共に、ピンク色の可愛らしい乳首が見える。
可愛いなぁ、舐めたいな・・・と思っていた俺の心の声が聞こえたみたいに、ヒロさんは慌ててシャツの襟元を掻き合わせた。

「なっ・・・何えっちな顔して人の体じろじろ見てるんだよ。」

「だって、やっぱり無理です。目の前にこんなに可愛いヒロさんがいるのに我慢なんて・・・。絶対に辛い思いはさせませんから、触らせて下さい・・・。」

「やだよ・・・。絶対触るだけじゃすまないだろ・・・それに、あんまり触られてたら、俺だって・・・。」

「いいですよ。ヒロさんが欲しがってくれるなら、ちゃんと苦しくないように準備しますし。」

まっすぐにその瞳を見つめると、途端に揺れる視線。ちらちらと俺を見ながら視線をうろつかせるヒロさんの様子に、彼の気持ちがそのまま表れているようで、堪らなくなる。

「幼児趣味はないんじゃなかったのかよ・・・・。」

「小さいからそそられるんじゃないです。ヒロさんだから我慢出来ないんです。」

「野分のヘンタイ・・・。」

ヒドイ言われようではあるけれど、ゆっくりと伏せられた瞼は「いいよ」という答えだろうと自分勝手に解釈して、その小さな体を膝の上に抱きかかえるようにして唇を重ねる。
いつもヒロさんの唇や舌は甘く感じるんだけど、今日の甘さはやっぱり半端じゃない気がした。薄く唇が開かれた隙間に舌先を滑り込ませると、それを柔らかく噛まれてゾクリと背中が震える。目に見える姿形の幼さに似つかわしくない慣れたキス・・・というアンバランスさに興奮を覚えた。

そうか、小さくなったとはいえ、中身は今まで通りのヒロさんなんだ。だからもちろん知識も経験した記憶もあるんだし、不慣れなのは体だけならそんなに遠慮はいらないかもしれないな・・・なんて都合良く考えながら、口づけを更に深くする。

「んっ・・・・くふ・・・・ふぅ・・・。」

ヒロさんの唇から受けきれなかった唾液が顎をつたわって落ちていく。
それを追いかけるように唇をずらして首筋から顎まで舐め上げると、腕の中でヒロさんの体がビクンと震えた。
やっぱりだ・・・・感じやすいところもそのまんま。

ヒロさんの体を抱き上げ反転させて、膝の上に背中から抱っこする形で座ってもらい、後ろからヒロさんの着ている服のシャツのボタンをひとつひとつ外していく。
シャツを肩から落とすと、まだ丸みの残る小さな肩が晒される。すべすべした滑らかな背中と、可愛らしい小さなお尻。

一気にむしゃぶりつきたい気持ちを抑えながら、そっと抱き締めるように腕を体の前方に回し、ヒロさんの体の強張りが解けてくるのを待つ。

「・・・野分・・・。」

俺の名を呼ぶ小さな声での求めに応えるみたいに、後ろから首筋にキスして、指先で本当に小さな胸の先を愛撫していく。指が触れただけで、ツンと立った可愛い乳首を指の腹でくりくりと撫で回すと、それだけでヒロさんは甘い吐息を漏らし始めた。

「うっ・・・・んんっ・・・・あっ・・あっ・・・・のわきぃ・・・。」

「・・・ヒロさんの、ここ、もっと可愛がってあげたいです。舐めていいですか?」

「・・・・はぁ・・・あ・・・聞くな・・・・。」

膝の上でくったりと脱力してしまった体を横抱きにして1度持ち上げ、ベッドのシーツの上に横たわらせ、そのまますぐに求められるままに、胸元に唇を落とす。

ちょこんと勃ちあがった乳首の先を舌先で舐めると、可愛い過ぎる嬌声があがると共に、ヒロさんはもじもじと両膝を擦り合わせた。


  ◇ 続く ◇




『ミラクル 4』


小さな膨らみを少し強く吸い上げると、ふっくらと先端が赤く染まる。
唾液で濡らした舌先で乳輪をなぞり、可愛らしい粒を唇で扱く度ヒロさんはいやいやをするみたいにかぶりを振った。

「こっちはどうですか?」

「やっ・・・やめっ・・・・!」

両膝を割って大きく脚を開かせると、まだ幼い萌芽が勃ちあがりかけていて、手のひらに包み込むとヒクヒクとその砲身を振るわせている。
両脚を閉じられないように体を割り込ませ、ヒロさん自身を口で咥え込んだ。

「あっ・・・・あ・・・野分っ・・・。」

唇と舌先でつるりと包皮をむいて敏感な先端をちゅうっと吸い上げると、茎の部分を緩やかに指で上下に擦った。

「痛くないですか?大丈夫・・・ゆっくりしますから。」

「いた・・・くはないけど、変な感じ・・・・!下腹のへんがきゅうってなる・・・。」

手のひらをヒロさんの柔らかなお腹の上にそっと添えて撫でながら、口淫を続ける。お腹に付きそうなくらい元気に反ったそれは、俺の口の中にすっぽりと包まれて、小さく痙攣を続けている。

「・・・んっ・・・うう・・・あ、何か変。野分っ・・・やっ・・・。」

「イキそうなんですか・・・?いいですよ・・・イッて。」

興奮のあまり、つい激しくなりそうになる動きを制御して、出来る限り優しく扱く。でないと刺激に慣れてない今のヒロさんのココは気持ちいいより痛くなってしまうだろうから。
じれったいくらいにゆっくりと舌を絡めながらゆるゆると唇で擦り続けていると、急に腕の中のヒロさんの体が跳ね上がった。

「ぅあああっ・・・・アア!!・・・の・・わきっ・・・!」

ビクビクッと全身を振るわせて、ヒロさんの背中が反り返った。この反応は間違いなくヒロさんがイク時の様子なのだけれど、ヒロさん自身を咥え込んだ俺の口の中には何も出ては来なかった。
それでも目尻に涙を滲ませて俺にしがみついてまだ震えているその姿を見て、はっと気がついた。

「そうか、この頃のヒロさんは精通がまだだったんですね・・・・。」

人によって個人差はあるだろうが、小学校4年~5年のこの年では、刺激にエクスタシーを感じても体内で精液が作られてなければ、射精感だけで何も出ない。

普段の性交時にもドライオーガズムでイッてしまうヒロさんだから、違和感は無いけれど変な感じだったのだろう、今にも泣き出しそうな不安そうな表情で視線を彷徨わせている。

「大丈夫ですよ。気持ち良かったですか?」

「何か・・・変な感じ・・・。」

「俺は、すごい興奮してます。ヒロさんのイクところ・・・とっても可愛いくて、いやらしかったです。ね・・もっと見せて・・・。」

「野分・・・。」

俺の体の変化に気がついたヒロさんがおずおずと下着の上から俺自身に触れてくる。ヒロさんの可愛すぎる痴態にすっかり硬くなってしまったそこを包み込むようにヒロさんの手ごと握り込んだ。

「ヒロさんに触っていたらどうしても我慢出来なくて。1度抜いておきたいんで手伝ってもらってもいいですか?」

「・・・痛くしねーんだったら・・・。」

「酷い事は絶対にしませんから。」

シーツの上に両手をついて四つん這いになってもらうと、高く上げたヒロさんのお尻を掴み、その間から太腿にかけて勃起した自身にたっぷりとローションを塗ってから隙間へと挟みこむ。柔らかな太腿をぐっと両脇から押さえると、俺はゆっくりと動き始めた。

「ああ・・・ヒロさん・・・・。」

いつものセックスの時の締め付け感はないものの、目の前で揺れるヒロさんの小さなお尻と、動く度に漏れるヒロさんの掠れた喘ぎ声が堪らなくて、だんだんと夢中になっていった。

「あっ・・・・アアンっ・・・やっ、擦れる・・・・・。」

太腿の間を貫通した俺のものとヒロさんのものがぬるぬると擦れ合って、どうしようもないくらい気持ちいい。ヒロさんもそうなのだろう、ひっきりなしに声をあげながら俺の腰にお尻を押しつけてきて、思わず腰の動きが早くなっていく。

  
 ◇ 続く ◇




『ミラクル』 2009/8/4~ 連載中   



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