『夢の途中』




『夢の途中 第1話』




子供の頃の俺がイメージする30歳って、もうおじさんだった。

10代の俺がイメージする30歳は、社会的に自立した大人の人。

20代の俺がイメージする30歳は、仕事にも家庭にも安定してくる感じ。

そして実際に30歳になった俺が感じた事は・・・・・
「案外まだまだ子供なんだな。」
という事だった。




この秋、俺はようやく30歳を迎えた。
傍に、一足先に30代に突入していたヒロさんがいたから、中途半端な自分の年齢がほんの少し嫌だった分、誕生日が来た時には「やっと!」という気すらした。

自分が30歳になった時には「何も変わんねー」と言ってたヒロさんが、俺の誕生日の夜「いよいよ野分も三十か・・・早いもんだな。」としみじみと言って、その表情は嬉しがってるような、寂しがっているような、そんな顔をしていたのを思い出す。

ヒロさんと出会って13年。
一緒に暮らすようになって5年。

ヒロさんは今年で34歳になろうとしているけれど、歳を感じさせないどこか幼い容貌はそのままで、今でも言わなければ30代には到底見えない。
助教授になりたての頃には「学生だと間違われたくない」とか「学生になめられないように」と変に気負っていた様に見えたヒロさんも最近は無理に作らなくなってきた。

変わった事と言えば、以前は仕事中にしかかけてなかった眼鏡を最近は家でもよくかけている事くらいか。
「近頃、すげー視力が下がった気がする」と言って、眼鏡をかけて本を読む姿をよく見かけるようになって、そんなヒロさんの読書をわざと邪魔したくなった時、横から眼鏡を奪ってからキスをする、という一連の動作がお約束になった。

そんな訳で、俺のヒロさんは相変わらず可愛い。




俺は・・・というと、研修期間を終えて正式に医師として働き始め、研修医時代程ではないものの忙しい日々をおくっている。

研修でお世話になった大学病院に小児科の勤務医として残り、週に何度か小児ICUのある病院に派遣される。何日も連続で泊まり・・・なんて事は無くなったものの、月に5〜6回は当直があり、定休になった日曜日にも患者さんの容体次第では出て行く事もある。

それでも当直以外の日であれば、大抵8時前後には帰れるようになって、そんな俺をヒロさんは毎日夕飯を一緒に食べる為に待っていてくれるのだ。

帰ってくると大抵ヒロさんが、ご飯を炊いて、味噌汁か時にスープを作ってくれているので、俺が簡単なおかずを作る。その間ヒロさんはダイニングテーブルにパソコンを持って来て、何か作業をやっているか、本を読むかして、キッチンに立つ俺の傍で待っていてくれる。



「いい匂いだな。すげー腹減ってきた。」

テーブルの上のパソコンを片付けたヒロさんが背後から鍋を覗き込む。

「煮魚?」

「金目鯛です。寒くなってきたしそろそろ旬ですね。お皿取って来てもらっていいですか。」

「おう。」

「そう、そっちの深い方の・・・あ、それです。」

ヒロさんは食器棚から青磁の皿を取り出すとそっとテーブルの上に置いた。

ヒロさんとこうして過ごす何気ない時間が好きだ。
2人共そんなにしゃべる方じゃないから、気付けばお互い無言になっている事も多いけれど、そんな沈黙も俺は嫌いじゃない。

黙っていても、ヒロさんのまわりの優しい空気が、1日の疲れを癒してくれる。

皿や箸を食卓に並べていく、ヒロさんの細くてきれいな指先を見つめていたら抱き締めたい衝動にかられそうになるけれど、我慢、我慢。
ただでさえお腹を空かせているヒロさんをこんな時間まで待たせてしまったのだから、まずはゆっくり夕食を食べて、お風呂から上がってから・・・。

「ヒロさん、お風呂って・・・。」

「ああ、沸かしてある。食ったら入ればいい。」

この言い方だと、どうなのかな。もうヒロさんは先に入っているんだろうか。まだなら一緒に入って欲しかったんだけどな・・・・。

そう思っていた時、俺の横にある棚にグラスを取りに来たヒロさんの髪の毛から、ふわりと花の様な薫りがした。

「・・・残念。」

「は?何がだ・・・・?」

「いいえ、何でもないです。」

一緒にお風呂・・・の希望は叶わなかったけど、お風呂あがりですごくいい薫りのするヒロさんを思いっきり可愛がりたい希望は、多分叶えてもらえるかな。

そんな事を考えながら、俺は手もとのキンメが崩れないように、そっと皿に盛りつけた。




 ◇ 続く ◇


『夢の途中 第2話』



「・・・ヒロさん。」

俺が風呂に入っている間、食器を洗っていたらしいヒロさんを背後からふわっと抱き寄せる。付き合い始めてすぐの頃ならば、これだけで飛び上がるくらいびっくりして、真っ赤になった上に「離せ」「触るな」と大暴れだった彼も俺の不意打ちにすっかり慣れてしまって、皿を拭く手にも動揺はない。

「お前は本当に風呂が早いな。ちゃんと温もって来たのかよ。」

ただ、こうして抱き寄せられて、首筋も耳も、あっという間に赤く染まってしまうところだけは変わってなかった。

「ちゃんとホカホカです。だから今度はヒロさんを暖める番です。」

2人お揃いのグラスを食器棚に収め、布巾を手に持ったままでじっとしている彼の、その柔らかな髪の毛に鼻を埋める。

「ヒロさん、いい匂い。」

「同じシャンプー使って来たんだろ。」

「でもヒロさんの方がいい薫りになるのは何故なんでしょうね。」

鼻をくんくんと鳴らして息を胸いっぱいに吸い込めば、シャンプーの人工的な薫りのせいだけじゃない、彼自身の甘い香りも相まって、俺の胸を切なくさせる。

「ヒロさんの部屋で今日は寝たいです。」

「・・・・・好きにすれば。」

そっけない言い方をしていても、赤くなった首筋は今も赤くて、引き寄せられる様にその首筋に唇を落とす。

「あ、こら・・・まだ俺、明日の授業の準備済んでないのに・・・。」

「じゃあ終わるまで待ってます。」

名残惜しくて、音を立ててその肌を吸って離れると、腕の中で小さく彼の肩が揺れた。




ヒロさんがパソコンからデータを移したり、資料を揃えたりしている間、俺は彼のベッドの上で何をするでもなくヒロさんの用事が終わるのを待っていた。

そういえば俺の部屋にもヒロさんの部屋にもテレビは置いていない。
リビングには少し大きめの液晶テレビがあったし、見る時にはヒロさんと同じ番組を見ているか、1人でぼーっと画面を見つめている程度だったから、特に自室にまで必要だと思った事は無かった。ヒロさんも同様に、これまでの数回にわたる引っ越しの際にも、1度も自室にテレビを置こうとした事は無い。部屋で1人過ごすヒロさんは大抵机に向かって何か仕事をしているか、ベッドに寝そべって本を読んでいる事が多くて、たまにパソコンで音楽を聴いている事があるくらいだ。

2人で過ごせる時間がいつの間にか増えて、毎晩俺が家に居るようになった最初の頃、ヒロさんは少し戸惑っているように見えた。週に1回も共に過ごせなかった頃には、お互い顔を見れば求め合い、1秒も無駄にしたくないという様に肌を重ね合って来た俺達だったから、昨日も居たのに今日も居る俺に対してどう距離感を持っていいのか分からずにいたのかもしれない。

俺は毎日でも抱き合いたいから、いいタイミングを計算して中3日・・・とか調節しようとする彼があんまりにも可愛いくて、わざとその登板予定を崩してあげたりする。

CD-RWとファイルをいつもの鞄に仕舞って、机の上を整えた彼が俺の待つベッドに歩み寄った。いつもならそろっと布団をめくって俺の隣に潜り込むところなのに、掛け布団の上に腰をかけている俺のせいでそれは叶わず、少し思案した後、隣に腰を下ろした。

結局パジャマを下しか着ていないままでいる俺に対して、ちゃんとパジャマに着替えたヒロさん。
どうせすぐに脱がされてしまうのに、しっかり上までボタンも留めてある。そういう変にきちんとしたところがヒロさんらしくて可愛らしかった。


「お前、次の当直っていつ?」

「明後日です。ただ週の後半、学会があって人手が足りないので呼び出しがあるかもしれません。」

「そうか。」

何か予定があるのかな、と思ってヒロさんが何か続きを話し出すのを少し待ってみたものの、それきり黙ってしまったので、頬を手で引き寄せて唇を重ねた。

そのままゆっくりと体重をかけて彼の体を掛け布団の上に押し倒す。
シーツの上に拡がった少し長めのヒロさんの髪を手のひらでゆっくりと撫でながら、口づけを次第に深くしていく。ヒロさんの両腕がそっと俺の首に回されて、頭を抱くみたいに優しく抱き寄せられた。


  ◇ 続く ◇




『夢の途中 第3話』


三十代になって、2人でベッドに入る回数が減ったのか・・・と考えると、俺達の場合20代の頃はとにかく思い通りに会えなくて、すれ違い生活が続いていた為に、むしろ今の方が回数的には多くなっている気がする。
俺が当直の日とヒロさんが仕事で徹夜・・・なんて日以外はほぼどっちかのベッドにくっつき合って眠っている事が多いし(ヒロさんからは「そんな事ならお前の部屋のベッド、せめてダブルにしてもらうんだった・・・。」とぼやかれている。今はセミダブル幅のロングサイズなので、とても狭い・・・)セックスまで至らなくても、何となく触っていると安心する為に、ヒロさんを触りながら寝てしまう事も多い。(中途半端で放るなと何度か叱られた)

朝までぶっ続け、とか、ヒロさんが失神するまで止められない、とか、そういう無茶はさすがにしなくなったけど、内容的には最近の方が濃厚と言おうか・・・・1回の満足度はきっと高い。
ゆっくりとお互いに高め合って、時間をかけて愛し合えばヒロさんの体への負担も少なくて済むし、体力と勢いだけで振り回していたガキの頃の俺よりは成長してるはず・・・と自分では思っているのだ。

掛け布団をめくって、抱き締めたヒロさんの体を夜具の中にそっと包み込むと、俺もその中に一緒に潜り込む。

一緒に過ごす時間が増えて、もうひとつ俺が気付いた事。
それは、ヒロさんが実はとても甘えん坊で寂しがり屋な人だったのだという事だ。
普段気丈でしっかりした人だし、ずっと口では「大丈夫だ」と言い続け、留学の時も研修医の頃も背中を押してくれた人だったから、ヒロさんは自分と違って強い人なのだろうと思っていたけど、実際には週に1度か2度の当直で留守にする時でも早めに知らせて心の準備をさせてあげないと落ち込むようだし、2人でいられる時間は出来るだけ同じ部屋で一緒に居たい人だったんだな・・・とこんなに長く一緒にいて、最近やっと気付く事が出来た。
それは、彼の中で強固に隠し通してきたものが年々ガードが緩んできているせいで、少しずつ本音というか彼の弱いところを見せてくれるようになったおかげなのだろうと思う。

そんな彼の意外な一面に気付いた時、初めて俺は自分がしてきた事を振り返って青くなった。

そう、俺はそうと知らずに、こんなに寂しがり屋な彼を、ろくに挨拶もしないで突然置き去りにして、一年間もアメリカに行っていたのだ・・・。
あの頃は、自分に自信もあまり無くて、どれだけ体を重ねていてもクールな態度をとるヒロさんからの愛情をいまいち掴み切れていなかったのだと思う。自分はヒロさんを誰よりも深く愛しているけれど、ヒロさんはどうなんだろう・・・彼の1番ならいいのに。彼の1番であり続ける為にはどうすればいいのだろう、どんな自分であればヒロさんは認めてくれるのだろう、とその事で頭がいっぱいで、取り残されてあてもなく待ち続けなければならなかったヒロさんの哀しみや絶望を想像するに至らなかった。

いや、むしろ想像が出来ていたならアメリカには行けなかったかもしれない。
俺が居ない一年間、この愛しい人がどれだけの涙を流したのかを想像すると、申し訳なさで胸が締め付けられる。

それに思い至った時、俺はこの人を一生、死ぬまで離さない、と心に誓った。

俺達の間に法律上の婚姻契約は存在しないから、俺の心の中だけの決意であり、誓いだったけれど、もう2度とこの人を一人ぼっちにはしない、寂しい思いはさせたくない、そう強く決心したのだ。

2人で布団の中に潜り込んで、そっとキスを交わす。
軽く触れるだけの「おやすみのキス」とは意味合いが違うのだと伝えたくて舌を差し入れれば、ヒロさんもそれに応えて俺の舌をちゅっと吸い上げてくれた。

法律上、何の縛りもない俺達だけど、男2人が長年一緒に暮らしていて、その理由が他に見つけられないが為に(仕事上の理由でも経済的事情でもないのは多分誰が見ても明らかだろう)俺達の関係はある程度親しい人達の間では黙認されるようにもなった。

俺の養父母である草間園の園長先生夫婦も、ヒロさんと俺の関係を早いうちに悟ってくれていたようで(俺の留学中行方を尋ねてヒロさんが連絡してきた時あたりから薄々気付いていたらしいと後から知って驚いた)特に何も言わないものの自然と受け入れてくれているし、職場でも親しい人達は一緒に暮らしているヒロさんが男性で、俺達がそういう関係なのだと承知の上で普通に接してくれている。全く何も知らないのは新人のナースくらいのものだ。

1番の関門だと恐れていた上條の両親にいたっては、あっけない程簡単に受け入れてもらえた。
幼い頃から傍で息子を見て来たせいか、息子が同性しか愛せないのだという事に驚く程早いうちから気付いておられて、俺の事も紹介されて初めて顔を見た時からそうなのだと分かってくれていたらしい。

立派な家柄のお家の一人息子であるヒロさんを一生独身にしてしまう事への俺の負い目に対しても、「そんな気にしなくていいのよー。うちは分家なんだしね。弘樹一人しか産めなかった時点で、この子に家とか親とかそういうしがらみは負わせたくないってずっと主人と決めていたの。私達がこの子に残してやれるものなんてこの古くさい家と、手入れに手間のかかる庭くらいのものだけれど、弘樹が幸せであれば、私達がいつか死んでしまった時にあの子が寂しい思いをしなければ、それでいいのよ。野分君、どうかあの子をよろしくお願いします。」と頭を下げられて、俺は不覚にも泣いてしまったのだ。


 ◇ 続く ◇




『夢の途中 第4話』



俺の腹に跨ったまま、ヒロさんがゆっくりと自分のパジャマのボタンを外していく。
ベッドの下にパジャマの上衣が滑り落ちれば、目の前に真っ白な肌が浮かび上がっていた。

「寒くないですか?エアコン・・・もう少し高くしましょう。」

ベッド横のサイドテーブルの上のリモコンを操作して設定温度を少し高くすると、部屋の隅のエアコンから生暖かい温風が吹き出し始めた。

上半身脱いだものの、次にどうしたものかと動きを止めたヒロさんの躊躇う顔が可愛いくてその頬に手を伸ばすと、ヒロさんは自分から少し腰を屈めて俺の手の平の中に頬を埋める。

いったい、これまでにどれだけこの人と肌を重ねてきただろう。
17歳の頃からなのだから、俺はもうすぐ人生の半分をこの人と過ごして来た事になる。触れたくても触れられなくて、会いたくても会えなくて、やっと会えた時には奪う様に抱いて・・・そんな幼い恋だった俺の想いは根っこの部分は何も変わらないまま、ヒロさんからもらった愛情を養分にして、すくすくと幹を伸ばして、枝葉を拡げ、今ではどっしりと土壌に太い根を生やしている。もう簡単に手折れる様な想いじゃない。もっともっと俺は枝を伸ばして幹を太くして、ヒロさん・・・あなたの中の小さな不安さえ消してあげられる様な、どんな雨風からも守ってあげられる様な、大きい男でありたいと思う。

そして、これだけ長い間繰り返し抱いたのに、いまだに変わらずこういう時何度も途中で我に返っては恥ずかしくなって手が止まる・・・そんなヒロさんが好きだ。

ここまできて戸惑う彼を腕の中に抱き入れて、体を入れ替える。
シーツの上に横たえられ、俺を見上げる彼の唇に自分のそれを重ねながら、唇の柔らかさに酔いしれた。

仕事先ではいつも生と死の繰り返しで、痛々しい程のリアルの上に立ち続けなければならない。
臨床に入ってすぐの頃には、時にどんなに手を尽くしても届かない命の儚さや、自分の無力感に叩きのめされたりしてきたけれど、そんな時に俺をずっと支えてくれ続けたのがヒロさんの存在だった。
ヒロさんは何も聞かない。
どんなに落ち込んで帰っても、食事も喉を通らないくらいに参っていても、「どうした、何があったんだ?」とは尋ねずに、ただ黙って傍に居てくれる。
熱いコーヒーを煎れてくれて、温かいお風呂と洗い立ての清潔なシーツにくるまれた布団を用意して、後は黙っている。
その時部屋に満ちる沈黙は他の何物にも代え難い、強くて優しい、ヒロさんそのものの様な凜とした空気に満ちていて、そこに静かに浸っているうちに、自然と職場で抱えてきた大きな荷物が小さくなっていくのを感じた。

口づけを深くして、互いの舌を絡ませ合う。
俺の唇を甘噛みしながら両手で頭を柔らかく掻き抱いてくれるヒロさんの指の動きが気持ちいい。
二人のキスがだんだんとエスカレートしていくうちに、シャンプーの仄かな薫りを纏っていたヒロさんの躰から、匂い立ってくる甘いフェロモン。それは単純に汗が放つ香りなのかもしれないけれど、興奮する彼から放たれるこの香りに、どんなに疲れていても眠くても俺の体は反応せずにはいられなくなる。

「・・・っ・・・はぁ・・・は・・・野分・・・。」

深い口づけに息を乱すヒロさんの胸元にそっと触れると、目の前で白い肩がビクンと震えた。

唇を離せば、つうと糸を引く唾液の跡を辿って唇に指で触れれば、まだ足りない、と言わんばかりにヒロさんの舌が俺の指先に絡みついてくる。温かい口の中に指を差し入れ上顎を擽り、きれいに並んだ歯列を確かめ、舌乳頭のざらつきを指の腹でなぞる。
彼の口中を指で探りながら、唇は顎から喉元をゆっくりと辿り、プツリと立ち上がった乳首を口に含んだ。口の中で硬くしこったそれを舌先で柔らかくなぞり、尖らせた舌で執拗に嬲ると滑らかな肌が小刻みに震えたった。

「ん・・・・ンク・・・ン・・・。」

俺の指先に舌を絡め吸い上げながら、ヒロさんが喉の奥の方で小さく呻く。
ねだる様にすり合わされる膝に気づかないふりをして、少し強めに乳首に吸い付くと、「ああ!」とひときわ大きな声で啼いてくれた。

数え切れないくらい抱き合って、ヒロさんのイイところも、弱いところも熟知しきっているはずなのに、毎回その反応の瑞々しさに己を高められる。

可愛い。幾つになってもこの人はこんなにも可愛いくて俺を夢中にさせてくれる。
俺の手で、俺の熱で、もっともっと乱したい。
飽きるどころか、ヒロさんに関しての俺は底なしに欲張りになっていくばかりだ。


 ◇ 続く ◇



    『夢の途中』 2009/10/01〜2009/12/24 連載 


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